新宿で猫のいる喫茶店へ行ってきたというお話。
店内はいい感じにレトロな雰囲気で、料理もコーヒーも美味しい所だった。
そして喫茶店には看板猫がいて、食事をしながら自由にくつろぐ様子が見られて癒しにもなったという。
新宿の界隈で猫のいる喫茶店というのも、なかなか珍しいのではないだろうか。
足を運んだのは5月8日水曜日のこと。
※2019年10月1日から消費税率引き上げに伴い、当記事にて掲載している写真及び文章で表記した価格は変更されている可能性があります。予めご了承ください。
最寄駅は新宿三丁目駅。C7出口という所から出る。
新宿三丁目駅の中では、最も東寄りの端っこにある出口だ。
この出口からお店までは徒歩5分ほど。
新宿駅から歩く場合は、お店に着くまで15分~20分ほど。
新宿三丁目駅とは地下通路で繋がっている。
新宿三丁目駅C7出口を出てすぐ正面にある『靖国通り』の信号を渡り、右方向・市ヶ谷方面に歩いて行くと、『三番街』と書かれた街灯のある小道に差し掛かる。
三番街の字体が、なんだか昭和感のあるレトロな雰囲気を醸し出している。
三番街の街灯のある小道をそのまま真っ直ぐ進んで行く。
住所は新宿5丁目。ひっそりとしていて、なんだか新宿とは思えない静けさが漂っている。新宿駅から離れた場所だからなのか。
ここは『新宿の果て』という表現がぴったりなのではないか、といったことが頭に浮かぶ。
目的地に到着。『アルル』という名前の喫茶店。
お店の前には置物がいっぱい並んでいて、独特の存在感がある。
目の前を通り掛かれば、すぐ目に留まることだろう。
猫がフォークでスパゲティをすくい上げている姿が可愛らしい置き物。
喫茶店っぽさと猫が融合したような。
入り口にも猫の置き物が。『営業中』を示す札には、飼っている猫と思われる写真。
かなり猫的なものを推しているお店であることが窺える。
いざ扉を開けて入店。
ちなみに営業中の札の写真に写っている猫は「五右衛門」と名付けられた飼い猫で、今は亡くなられたのだそうな。その後を継いだ猫たちが、今もこの喫茶店にいるようだ。
喫茶店や猫のことについては、以下の記事がとても参考になった。店主の方にお話を伺う形で、新宿のこの場所で喫茶店を開くことになった経緯、猫を飼うようになった経緯が詳しく書かれている。
入ると「いらっしゃいませー」と迎えられる。
席は空きがあれば、どうやらこちらから座っていいスタイルのようだ。
と言うのも、入ってからすぐに席への誘導はなく、しばらく立って待っていたら「空いているお席へどうぞー」と声が掛かったからだ。
お客さんがたくさん入っていて忙しそうだったので、その時の状況にもよるかもしれないが。
2人掛けのテーブル席が空いていたので着席。店内はレトロな雰囲気が漂いまくっている。
お店に入ったのは13時を過ぎたころ。
お昼のピークを過ぎた頃合いではないかと思ったけど、結構お客さんは入っていた。
俺が座った直後に満席になったようで、たまたま空いていて滑り込めたようだ。
俺が座っている2人掛けのテーブル席以外は、4人掛けのテーブル席が並んでいる。
俺の他に1人で来ているお客さんが何人かいたけど、皆4人掛けのテーブル席を1つずつ割り当てられている。後から来たお客さんと相席にはしない。
お客さんからしてみると、プライベートな空間が確保されてありがたいことだ。
また、各席には灰皿が置かれていて喫煙が可能。
喫煙者ばかりが集まっているわけではなかったので、店内にタバコ臭さや煙たい感じはあまりなかった。空気清浄器も設置してあったし。
席に着くと、店員さんからお水と共に、ジャイアントコーンとバナナ1切れを出してもらった。
注文する前にいきなり食べ物を出してくれたぞ。珍しい。
メニューを開く。
ナポリタンとかピラフとか、喫茶店の定番メニューが揃っている。
値段は700円台から900円台。これにコーヒー、紅茶、コーラのいずれかが追加料金なしで、サービスで付いてくるという。
アイスコーヒー、アイスティーにする場合にはプラス50円。
価格設定としてはかなり良心的だ。
今回はナポリタンと、サービスのホットコーヒーを注文することに。
初めて行く喫茶店なので、ここは定番メニューの味を確かめてみたい。
注文したものが出てくるまでの間、店内を見回す。
猫の置き物がいっぱい。時々他の動物も紛れ込んでいたり。
4人掛けの席が空いたのを見計らって一枚。
座席はゆったりしていて、テーブルの照明が落ち着いた上質な空間を演出してくれている。
テーブルごとの間隔は広めにとられているので、あまり狭苦しさは感じずゆったり過ごせる空間になっている。
ナポリタンが出て来た。サラダが一緒に乗っている。
コンソメスープもセットで付いてくる。
ナポリタンは湯気がふわ~っと立っていてアツアツ。
具はベーコン、ピーマン、玉ねぎ、マッシュルームが入っている。
スパゲティはケチャップのソースがしっかり絡められて、満遍なくオレンジ色に染まった喫茶店らしいナポリタン。
ケチャップのソースによってべちゃっとした感じはなく、さっぱりとした仕上がりで美味しかった。
気が付けば夢中になって食べていた。
ナポリタンを平らげたタイミングで、ホットコーヒーを出してもらう。
飲み物は特にこちらで指定しない限りは食後に出される。
コーヒーは少し酸味がした後に苦味がやってくるような味わいだった。くどさはなく、すっきりしていて飲みやすく香りもいい。
なんだかこだわりが感じられる。
ところでナポリタンを食べている間、肝心の猫が一向に見当たらなかったのだが、コーヒーを飲み始めたら店内の奥からひょっこりと姿を現してきた。
猫に会えた!
コーヒーを飲み終わったところでお会計を済ませて、店員さんに許可をもらって近くに寄らせてもらった。
お客さんが座る席の所で普通にくつろいでいる。自由でいいな。
猫じゃらし型のおもちゃを傍らに置いて、誰かに遊んでもらうのを待っているのだろうか。
しゃがんでスマホのカメラを向けると、猫はじっとこちらを見据えている。
俺が来ても身を引くでもなく近くに寄って来るわけでもなく、ただ視線を向けている。なにやら風格が感じられる猫だった。
ちなみにお会計は税込みで720円。ナポリタンは美味しかったし、食後に出てきたコーヒーにもこだわりが感じられたし。コスパが良すぎてびっくりだ。
5月11日の土曜日に再度来店。お店のメニューと、猫がいることがすっかり気に入ってしまった。
メニューの表紙を改めて撮る。初代看板猫「五右衛門」の写真が貼られている。
入店したのは11時30分ぐらいで、テーブル席がいくつか空いていてすぐに座ることができた。
12時を回ると満席に。土曜日もお昼時になるとやはり混んでくるようだ。
飲み物単品のメニューも改めて。概ね400円~500円台。
喫茶店のメニューとしては、こちらも良心的な価格設定と思われる。
オムラバーグを注文。ホットコーヒーとセットで970円。
オムライスとハンバーグのコンビネーションで、かなりボリュームがある。
オムライスは薄く焼いた卵でケチャップライスを包んでいる。卵は薄いながらもとろけるような柔らかさがあり、中のライスにもしっかり馴染んでくれる。
卵、ケチャップ、ライスが組み合わさることで成り立つバランスのとれた味わいになっていて、正しく「オムライス」を表現したような出来栄えだ。
ハンバーグはよく火が通っていて、ジューシーでふっくらとした食感だった。ソースの味もいい。
やや小ぶりではあるが、オムライスと一緒に食べる分には丁度お腹が満たされるぐらいの、程よい大きさだと思う。
オムラバーグも美味しいメニューだった。
食べているとまた猫を見掛けることができた。
この日はお店の中を頻繁にあっちへこっちへと、よく歩いて回っている。
こちらが座っているすぐ横の通路にも、何度か往復する姿が見られた。
椅子の背もたれの所に器用に立つ姿も。
立ち姿が凛々しい。
猫は特定の誰かの所にすり寄るわけでもなく、自由気ままに過ごしているようだった。
周りにいるお客さんたちも、猫が通り掛かるのはごく普通のこととして受け止めている様子だ。
猫もお客さんもお互いに適度な距離感を保ちつつ、皆それぞれの時間を過ごしているような雰囲気があった。
お会計を済ませてお店を出ると、外に出て日向ぼっこをする様子も見られた。
今日は暖かい日だったから外に出たかったんだね。というのを、お店から出てきたマスターのおじさんが声を掛けてきて話してくれた。
猫の名前は「次郎長」というのだそうな。渋くていい響きだな。
新宿の喫茶店に次郎長あり。
お店は古き良き雰囲気の漂う喫茶店だった。
席は広めで居心地がいい。
入ってくるお客さんは老若男女問わず、様々な層の人たちが来店している様子だった。
地元の常連さんと思しき人もいれば、俺のように余所から足を運んできたような人たちもいる。
色んな立場の人たちがお店に入っていたので、初めて1人で入った時も、特に俺だけが浮いてるような感覚はなくて、ゆったり過ごすことができた。
1人で立ち寄ってみる場合でも2~3人のグループで来る場合でも、どちらの状況でも過ごしやすくておススメができる。
料理もコーヒーもこだわりが感じられる上にコスパがかなり良かったので、またここには足を運びたい。
『カフェアルル』
〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目10−8 1F
営業時間:11:30~22:00
定休日:日曜日
『新宿三丁目駅』C7出口から徒歩5分